【書  名】 大地物語 逃亡血道
【ふりがな】 ぐれいと・ぷれいすものがたり とうぼうけつろ
【作  者】 荻野目 悠樹 著
【イラスト】 美樹本 晴彦 表紙・挿絵
【初版発行】 2000年08月05日
【発  行】 エンターブレイン/ファミ通文庫
【版  型】 文庫/279頁
【定  価】 650円+税

グレイト・プレイス
< 大   地 >辺境の小国ラルークの命運は、今や風前の灯火のごとし。中原の大国ゼーディマが突如、隣国ラルークへの進行を開始したのである――。
王城にまで迫った敵に、ラルーク最強の剣士グレイは、養父とともに最後の突撃を試みようとしていた。だがグレイは急遽、城に呼び戻されることとなる。
「王女を同盟国まで護衛せよ」。それが王の命であった。
月の女神ファーリーナの血を引くと言われる、紅の瞳を持った王女ルナ。このルナの奪取こそが、ゼーディマの真の狙いだったのである。
ルナに隠された秘密とは何か?
そして<大地>の歴史に干渉し続ける<神々>とはいったい何者なのか?
グレイは、ルナとその小姓カレリクを守りながらの、苦難に満ちた逃避行を開始するのであった。

大上段に振りかぶったファンタジー。
それが読前の印象であった。
ファンタジーの皮を被ったSF。
それが読後の印象であった。
それでいて、設定以外は奇をてらっているわけでもない直球勝負である。
あらゆる敵を一撃で滅ぼす魔法とも、一振りで嵐を呼ぶ魔剣とも、
闇の住人たるモンスターとも無縁の、あくまでも<人間>の物語なのだ。
それは著者が歴史を愛するゆえか。
いずれにしても、物語はまだまだ始まったばかり。
逃げ続ける三人の、明日はどっちだ?
(剛 2001/06)