【書  名】 やみなべの陰謀
【ふりがな】 ヤミナベノインポウ
【作  者】 田中哲弥
【イラスト】 此路あゆみ
【初版発行】 1999年1月25日
【発  行】 メディアワークス/電撃文庫
【版  型】 文庫/260ページ
【定  価】 510円(税別)

 ある日突然、普通の大学生栗原守のもとに届けられた千両箱。果たしてこれは何者が何の目的で彼に届けたのか? 5つの短編が時をこえてかもしだすまさにやみなべのストーリー。
 おもろい! 面白いのではなくこれは「おもろい!」のだ。この作品はもしかするとTNではないのかもしれない。TNの定義も定かでないのにという問題はさておき、第1話と第2話は千両箱が突然届くという突拍子もないところはあるものの、なんというか日常っぽい話しである。だからといってどこの馬の骨ですかときかれると「さあ、どうでしょう?」なのでやはりTNなのかもしれない。いずれにせよこの作品の「おもろさ!」にかわりはないわけで、なにがそんなに「おもろい!」のかというと。
 筒井康隆かなぁ?
 いや、それじゃなくて、思わずぷっと笑わせるような1人ボケ突っ込みの文章とそれのうえにたつストーリーの見事なこと! 大阪人の魂のさけび!?
 5編の短編を読み進むうちに明かされる真相の爽快感! ああそういえばこんな仕掛はこの作品いがいでも<ブギーポップ>(上遠野浩平/電撃文庫)でもつかわれていたなぁと思い出した。時期からするとこういうのは同時多発的に発見されるのかもしれない。いやいやそうじゃなくむしろ「ドグラマグラ」(夢野久作)かしらん。
 うーん、なんだかとりとめのない感想になってしまった。しかし、とりとめもない話しなのでとりとめもない感想になってしまうのはしごく当然の気もする。
とどのつまり、おもろい! のです。はい。
(勝 2001/06)