| 【書 名】 |
幻の将軍 <上> |
| 【ふりがな】 |
まぼろしのしょうぐん |
| 【作 者】 |
河原よしえ 著 |
| 【イラスト】 |
いのまたむつみ 表紙・挿絵 |
| 【初版発行】 |
2001年01月01日 |
| 【発 行】 |
エニックス/EXノベルズ |
| 【版 型】 |
新書/255頁 |
| 【定 価】 |
840円+税
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「退けよ! 目の前で住民が焼け死んでいくのを、平気で見過ごすような軍隊なんて、敵となんにも変わらないじゃないか!」フレイオス・リズ
村の鍛冶屋の娘フレイは、剣も振るえば狩りにも出かける、豊かな自然に囲まれた小国シェンの田舎育ちの勝ち気な娘だった。父の打った剣を届ける旅のさなか、海賊に襲われて、仲間のアルセスと離ればなれとなり、アシュの軍船に助けられた。名前の音が似ていたため、フレイは、父の剣を持つはずだったフレイオス王子と間違われてしまう。フレイオス王子はアシュの先王と被支配民族メルタ人の娘との間に生まれた庶子で、宮廷闘争を避けて都から遠く離れた属国のシェンで育てられたらしい。しかし、アシュでは、今、支配民族のアシュ人と支配を受けているメルタ人の間の諍いがどんどん拡大し、外国の力を借りて王権を倒そうとする革命にまで事態が進みつつあるらしい。アシュとメルタの混血である庶子の王子は、二つの民族を再び融和させるために、王国軍を率いる旗印として呼び戻されたのだ。人違いとしれてフレイオス王子が見つからないとなると、このアシュ王国は属国のシェンごと滅びかねない。かくして、田舎育ちの少女フレイの、フレイオス王子としての活躍が始まる。
河原よしえは、かつて、アニメーション制作会社サンライズの文芸部で、設定・企画などを次々と切り回す辣腕部員として知られた存在。作家としての独立後も、サンライズとの関わりは深く、『鎧伝サムライトルーパー』や『Gセイバー』
等、サンライズ作品のノベライズも多い。
本作はこの作者の、綿密な世界構築を齟齬なく行う設定屋としての腕と、軽妙かつ明確な文体でぐんぐん読ませる作家としての素養が、力強い両輪となっている。そして、いのまたむつみの凛とした美少女の表紙が、この架空の国と文化のイメージをうまく補っている。
(神 2001/06)