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BookReview

スタッフ有志が、最近読んだ本やお気に入りの本についてご紹介。
近況報告としてもお楽しみください。


  ライタークロイス
Date: 2007-09-27 (Thu)
 川口 士(かわぐち つかさ)/柴倉乃杏 富士見ファンタジア文庫 2007.7発行

聖獣を駆って魔物と戦う帝国騎士になるべく、帝都に騎士登用試験を受けに出てきた主人公。財布をすられたり田舎者と馬鹿にされたりしながらも、様々な人と知り合い色々な経験をして、悩むことはあってもまっすぐに進んでいき、騎士を目指し続け……って、え、続刊の予定がない?! 冗談でしょ? いや、短編が雑誌に載るわけだから続きはあるんですよね。だって、これ思いっきり序章じゃないですか!
主人公のまじめな性格は好感が持てます。そのまじめさで身につけたんだろうなぁという槍(剣ではなくて槍を使うというところもちょっと好み。イメージ的な派手さはないけど、剣より実際的だよね)の腕も、それなりだけど強すぎないというあたり、まだ成長過程にあることを思わせて楽しみ。彼が帝都で出会う不思議な雰囲気の少女や、気さくで世慣れた風な少年も魅力的。
だから、この先が読みたいのです。だって、主人公はまだ騎士になってない。せっかく4種の聖獣なんておいしい設定があるのだから、かっこよく「召喚」と叫んで喚び出すシーンとか見てみたい。そもそも主人公がどの聖獣を得るのか、組み分け帽子の歌を待つくらいの気分で気になります。あぁそれでいったら、彼女は麒麟を喚び出したりしないのかなぁ。相棒の彼は結局どんな戦い方をするのかよくわからないままだったし、敵もまだ姿を現したばかり、しかも勝ち逃げ。最後にちょっとだけご登場の彼女のお兄様ももっとみてみたいし、彼女の親友話は思わせぶりだし、そういえば故郷の地主の娘の話はラブ関係の伏線ではないのか。
というわけで、ぜひ続刊に出ていただきたいのです、と声を大にして叫ばせていただきます。(白)

  舞姫恋風伝
Date: 2007-07-29 (Sun)
 深山くのえ(みやまくのえ)/藤間麗 ルルル文庫 2007.5発行

ラブラブだぁ。というより、幼い頃に少女が夢想(妄想?)する夢そのもの!
貧しさから売られて、帝たちのために舞う妓女の見習いになった少女が、偶然、夜の庭で太子に出会い、その優しさに触れて恋するようになる。そして3年後、舞いの上達した主人公は太子の前で踊る。
その時に、太子様が少女のことを覚えてくれているというあたりがやったーって感じだし、しかもお互い想いあうようになるとなると来たぞぉっていう勢い。人に隠れての忍び会い。少女は目立たぬために実力を秘している。周囲の妓女仲間が馬鹿にする主人公は実はみんなのあこがれ太子様の想われ人。宮中では陰謀、少女は太子のために必死になる。
身分違いだからかないっこないと思いながら、ひたすら太子のことを恋う少女がけなげ。派手に立ち回ったりするわけではないのだけど、その一途さが強さとなり、ベタベタのハッピーエンドによしよしと頷けるのです。
ついでに、主人公のとなりには世話焼きタイプでお転婆な親友が、というのもお約束。この子のもう一つの恋物語も、いいんだなぁ。(白)

  バカとテストと召喚獣
Date: 2007-03-25 (Sun)
 井上 堅二(いのうえけんじ):著/葉賀ユイ:イラスト ファミ通文庫 2007.2発行 609円(税込)

いやぁ、笑った〜。
どんなお話かと言えば、タイトル通り。成績順にクラス分けされて備品も何もかもクラスごとの差がものすごい学校で、一番下のクラスになったバカたちが、テストの点数に応じて強さが決まる召喚獣によるクラス対抗戦(試召戦争)でその設備を奪い合うというもの。あぁでもこれってゲームだよねぇ。というか、本当にあっても面白そう。脳年齢がどうこうというのがはやっている昨今、時間制限あり問題数と点数には上限なしのテストで補給しながら敵と戦ってくって、それなりに人気出るんじゃ…。いやでも新聞に挟んである高校入試問題さえ解けないようじゃお話にならないか…いやでもだからこそ、結構人々の意欲をかきたてたりしないかなぁ…。って、それはおいといて。
テストの出来は悪くても、個性だの色々な作戦だのを使って上位チームに勝っていくっていう展開は王道でわくわくするし、さりげない恋模様も微笑ましいし、ベタなお約束シーンや会話には思わず吹き出さされるし、何より語り口がうまくてするりと読めてしまうのです。オチまでばっちり、予想通りだけど大満足。
あぁ、楽しかった〜。(白)

  GOSICKY−仮面舞踏会の夜−
Date: 2007-01-08 (Mon)
桜庭一樹(著)/武田日向(イラスト) 富士見ミステリー文庫

人気シリーズの6作目。この巻でやっと聖マルグリット学園に戻れそうな一弥とヴィクトリカです。よかった。
修道院“ベルゼブブの頭蓋”からヴィクトリカを連れ出した一弥。二人は辛くも豪華列車“オールド・マスカレード号”に乗り込むことができた。しかし、そこで起こる殺人事件。同乗した“死者”“木こり”“孤児”“公妃”とは一体何者なのか?
ハードカバーでもご活躍の1年でしたねー、桜庭さん。「このミス」の“私の隠し玉”コーナーの記事を見たときにはびっくりしました。さすがです。『赤朽葉家の伝説』もいいけど、『少女七竈と七人の可愛そうな大人』は女子に激おすすめ!(柳)

  鳥籠姫と王樹の実
Date: 2007-01-08 (Mon)
桂環(著)/羽戸らみ(イラスト) コバルト文庫

「とりこひめとおうじゅのみ」と読みますよ。2006年ロマン大賞受賞作家のデビュー作です。
・・・すんません。表紙に惹かれて買いました。イラストレーターさん、RAMIから羽戸らみにお名前変わっての第1作かと思ったものですから。
自分を守ってるくれる騎士の訪れを待つ“桐野つゆり”は怪力で、か弱さとは無縁の女子高生。ひょんな事故で仮死状態になり、人間界とは全く別の世界で不思議な体験をする。そんな彼女が生き返ったとき、手に入意中の人をとりこにする魔法の「環」だった。果たしてつゆりは環を誰にどう使うのか。
恋愛に孫子の兵法を応用したりと、登場人物の会話にユーモアが感じられる前半はとても楽しい。設定も面白い。お話全体は多少荒削りの感はあるものの、シリーズが続けば洗練されていくのではないかなあ。表紙の色使いが素敵。(柳)

  SHINO−愛の証明−
Date: 2007-01-08 (Mon)
上月雨音(著)/東条さかな(イラスト) 富士見ミステリー文庫

志乃ちゃ〜ん♪ というわけで、ダークなヒロイン志乃ちゃんと、おっとり大学生の僕との物語、4巻目です。
志乃を狙う「デッドエンドコンプレックス」との諍いの山場篇です。デパートでの催事=デッドエンドコンプレックスの創始者市井垣忍の個展を見に来た僕、志乃ちゃん、先輩の3人は、デパートのワンフロアに閉じ込められてしまう。そこには爆弾が! 同じく閉じ込められた7人の中に犯人がいるのか?
“僕”の存在意義がはっきり自覚された巻となりました。これから二人の絆が試されるのかも。どきどき。
東条さかなさんの表紙絵は相変わらずキュートです。本屋さんでも目だってていい感じです。(柳)

  ジョン平とぼくと2 ジョン平と去っていった猫
Date: 2007-01-08 (Mon)
大西科学(著)/銀八(イラスト) GA文庫

誰しもが小さな魔法を使える世界。そして誰もが「使い魔」と呼ばれる生物をパートナーに暮らす世界。魔法の苦手な高校生・北見重はただひとりの化学部員として過ごしている。「使い魔」はジョン平=犬。魔法が使えないことに悩みながらも、穏やかな日々をおくっていた重の日常は、新任の物理化学教師の赴任からざわつきはじめる。−−というのが1巻。
犬と少年、ですよ。このテーマでグラっとくるアナタ! その期待は裏切られません。オーソドックスだけど心温まるドラマが待っています。そんな1巻を受けての作品がこれ。
何しろジョン平がいいのです。片言の日本語。素直で可愛い様子。犬そのものです。ところで私の脳内では、ジョン平はレトリーバーなんですよねえ。でかくておっとり、の犬の代表だからかなあ。(柳)

  2006年 私的ベスト5
Date: 2007-01-08 (Mon)
●マルタ・サギーは探偵ですか?(著/野梨原花南 絵/すみ兵 富士見ミステリー文庫)

遅れてやってきた読者ですみませんすみません。前々から「読んでみたい」と思ってたものの、機会が作れずに。お仕事がらみで読ませていただいたら、これがもう超ハマりました。登場人物の心持ちが気持いいんですよー。毎晩、何回も読み直したり。ああもう私ったらどうしちゃったの?って位のめり込みました。丸太大好きー!

●老ヴォールの惑星 (小川一水 早川文庫)

泣けた!泣けました!短編集なんですけどね。中でも「老ヴォールの惑星」がね、泣けるんですよう。星野之宣の『巨人たちの伝説』を思い出しましたよ。果てしない時を越えて生物はどう生きていくのか、という話です。小川一水はどれも面白いんですけどねー。ライトノベル好きの人にもオススメの短編集です。

●SHINO (著/上月雨音 絵/東条さかな 富士見ミステリー文庫)

ライトノベルの魅力のひとつは絵でしょ? というわけで、この作品です。お話部分も面白い(特に1巻)んですが。イラストによっては手にとってもらえない可能性もあるわけですよ、ライトノベルって。クセのあるストーリーに、心地よさを与えてる東条さかなさんのイラストに一票! なのです。

●ドラグネット・ミラージュ (著/きぬたさとし 原案/賀東招二 絵/篠房六郎 ゼータ文庫)

2巻が2007年1月に出るんですよ!!! よかった。本当によかった。
アメリカ製の刑事ドラマファンの私としては、読み応えバッチリでした。ちゃんとハードボイルドのお約束を守ってくれてるしね。主人公がハンサムじゃないとこ、でもスジが通ってるとこ、がかっこいいんだよなあ。

●とるこ日記―“ダメ人間”作家トリオの脱力旅行記 (著/定金 伸治、乙一、松原 真琴 ジャンプJ-BOOKS)

お風呂で何回も読みました。くっくっく。この3人、どの位ダメ人間かっていうとですねー。旅行先で洗濯した生乾きのパンツを履く位? これから旅行なのに重い荷物を買う位? 友人への土産を帰国した成田で買う位? ということで、読んでダメっぷりを確認してね。ちなみに、これを読んでから3人の作品を読むのが一層楽しくなりましたよ。

○選外だけどこれだけ
テガミバチ  著/浅田 弘幸
月刊ジャンプ連載中のマンガです。面白い。似たような構造のお話はたくさんあるけど、これが一番丁寧に心情が描かれてる。好感が持てます。(柳)

  2006年ベスト5
Date: 2007-01-07 (Sun)
ここでの選定条件は、発行年は関係なく2006年に読んだ本、ということなので、『ある日、爆弾がおちてきて』もあげられる〜とか一瞬思ったのですが、これは読んだのも2005年でしたっけ。
というわけで、ライトノベルでなくてもOK。順位はなし。という基準での私的ベスト5。

『逆襲の魔王』三浦良(富士見ファンタジア文庫)
 元勇者現魔王に対する元魔王の復讐の物語、というより、陰謀を乗り越えて国を治めていく部分の方がメインでスリリング。登場人物がみんなかっこいいんですよね。誰にも見せ場があるし。ラブロマンスも端正で禁欲的なあたりが、かえって素敵。

『ランブルフィッシュ』三雲岳斗(角川スニーカー文庫)
 どんどん登場人物が増えて話が広がっていったこの物語も、きっちり終わってくれました。
 それぞれの人物に見せ場をつくって解決させ、伏線や謎もとりあえず回収、ちょっと急ぎすぎなような気もするけど、大円団は見事。

『とらドラ!』竹宮ゆゆこ (電撃文庫)
 ドタバタの楽しさもあるけれど、恋愛未満という状態での親密な関係の居心地の良さというのも大きな魅力ではないかと。

『紅牙のルビーウルフ』淡路帆希(富士見ファンタジア文庫)
 力で解決していくカタルシスより心情描写の丁寧さが印象に残るこの作品は女性向けだと思うので、レーベルで手を出しそびれている女の子たちにビーンズあたりの感覚で読んでほしいです。(いやだって、あのいっそ身も蓋もないと言ってしまいそうなリアリスティックな冷徹さとか、その埋め合わせのような恋愛部分での夢見がちなところとか…)

『萌えるアメリカ〜米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか』堀淵清治/飯干真奈弥 構成(日経BP社)
 著者はアメリカにおける日本の漫画出版に関わった人物。日米の流通の違いであるとか、右から読むか左から読むかや描き文字の処理をどうするか等についての試行錯誤。日本の文化のどういった部分がアメリカで受け入れられたのか、それが時によってどう変わっていったのか。とても興味深く読めました。

何とか5本に絞りましたが、他にも挙げたい作品は色々。
『蛇と水と梔子の花』(足塚鰯・コバルト文庫)はどことなく懐かしい穏やかな雰囲気があり、『憐 Ren』(水口敬文・角川スニーカー文庫)は読んでいると学生時代の一番楽しい部分のエッセンスを感じさせられます。『とある魔術の禁書目録』(鎌池和馬・電撃文庫)の9,10巻は、今までの登場人物総出演の大サービスで楽しませてもらったし、『倒凶十将伝』(庄司卓・ソノラマ文庫)はなぁんと総出演な上ちゃんと完結。そして『TOY JOY POP』(浅井ラボ・HJ文庫)は意外にも(?)自己肯定への道と退屈に埋没してないで自分で自分を楽しませろよという前向き観があって、若者らしかったかと。(白)

  2006年、私的ベスト5
Date: 2006-12-26 (Tue)
ども、いいんちょです。
06ベスト、ということでぱらぱらと。
あ、順位があるわけではありません。


“文学少女”シリーズ
野村 美月 (著), 竹岡 美穂 (イラスト)
野村美月さんらしいのに新しい。
遠子先輩はいいねぇ。タイトルもイラストもいいねぇ。
ライトノベルはこうでないとねぇ。

銀盤カレイドスコープ
海原 零 (著) , 鈴平ヒロ (イラスト)
遂に完結! 素晴らしい作品でした!
これはライトノベル史に残る名作スポーツものですよ!

SHI‐NO
上月 雨音 (著) , 東条さかな (イラスト)
何かの偶然で生まれたようなシノちゃんのキャラクターがいい!
ミステリー文庫が盛り上がるのも嬉しいですね。

よつばと!
あずま きよひこ(著)
面白かったです。
最新刊はよつばちゃんがあんまり子供のしぐさをしないような気がする。
気のせいかなぁ?

マルドゥック・ヴェロシティ
冲方 丁(著)
3冊どどどっと出て、内容もどどどって感じでした!
バロットが出ないので萌えない(笑)けど、すごくSFした作品でした。


他にも、「狼と香辛料」とか「コッペとBB団」とか「ある日、爆弾が〜」(あ、
これは去年か?)とかいろいろ、もっともっとたくさん書きたいんだけど、とり
あえず以上で。
今年も面白い作品にたくさん出会えた1年でした〜。

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